ランクルプラドの燃費は本当に悪すぎるのか?
トヨタの本格SUVとして絶大な人気を誇るランドクルーザープラド(150系)ですが、購入を検討する際に多くの人が気にするのが「燃費」です。結論から申し上げますと、一般的なコンパクトカーやハイブリッド車と比較した場合、燃費数値が劣るのは事実です。しかし、2トンを超える車重や強固なフルタイム4WDシステムを備えた本格オフローダーであることを考慮すると、極端に悪すぎるわけではなく、SUVの構造上妥当な水準に収まっています。
ガソリン車とディーゼル車のカタログ燃費・実燃費の目安
ランクルプラド(150系最終モデル)には、2.7Lガソリンエンジンと2.8Lクリーンディーゼルエンジンの2種類が設定されています。パワートレインによる燃費性能の違いを、WLTCモードのカタログ値と実燃費の目安で比較します。
| エンジン種類 | カタログ燃費(WLTCモード) | 実燃費の目安 |
|---|---|---|
| 2.8L ディーゼル車 | 11.2km/L | 約9.0〜11.0km/L |
| 2.7L ガソリン車 | 8.3km/L | 約6.0〜8.0km/L |
2.8Lディーゼル車の燃費傾向
クリーンディーゼル車は、低回転から力強いトルクを発揮するため、重い車体をスムーズに発進・加速させることができます。結果的にアクセルを深く踏み込む必要がなく、燃料消費を抑えやすくなっています。高速道路など一定の速度で巡航するシーンでは、実燃費が12km/L以上まで伸びるケースも多く、指定燃料が単価の安い軽油であるため、日々のガソリン代(燃料代)を大きく抑えられます。
2.7Lガソリン車の燃費傾向
ガソリン車は、車両本体価格がディーゼル車よりも安く設定されているメリットがありますが、燃費数値においてはやや不利になります。特に市街地でのストップ&ゴーが続く環境では、実燃費が5〜6km/L前後まで落ち込むことも珍しくありません。一方で、郊外のバイパスや高速道路での長距離移動では9〜10km/L程度まで改善する傾向があります。
ランクルプラドの燃費が悪いとされる4つの理由
一般的な乗用車と比べてランクルプラドの燃費が伸び悩む背景には、本格SUVならではの妥協のない設計と構造上の理由が存在します。
- 2トンを超える車両重量とラダーフレーム構造 プラドは、過酷な悪路にも耐えうる強靭な「ラダーフレーム」を採用しています。乗用車ベースのSUV(モノコック構造)とは異なり非常に頑丈ですが、車両重量が2トンを優に超えるため、発進時や加速時に多くのエネルギー(燃料)を消費します。
- 常時四輪を駆動するフルタイム4WDシステム 路面状況に応じて駆動方式が切り替わるスタンバイ式4WDとは異なり、プラドは常に四つのタイヤに動力を伝えるフルタイム4WDを採用しています。これにより高い直進安定性と悪路走破性を誇りますが、駆動ロスや機械的な抵抗が増え、燃費には不利に働きます。
- 余裕を持たせた大排気量エンジンの搭載 重い車体をストレスなく走らせるため、2.7Lや2.8Lといった大きな排気量のエンジンを搭載しています。これらは燃費効率よりも、悪路での力強さや低速域でのトルクを重視したセッティングとなっているため、燃料消費量は自然と多くなります。
- 空気抵抗の大きいスクエアなボディ形状 室内空間の広さや運転席からの見晴らしの良さを確保した、背が高く四角いボディデザインは、走行時に受ける空気抵抗(空力抵抗)が大きくなります。特に高速走行時において、この空気抵抗が燃費低下の一因となります。
燃費の懸念をカバーするプラドの魅力と維持費の考え方
燃料代という弱点はありますが、ランクルプラドにはそれを補って余りあるメリットが存在します。総合的な維持費や所有する価値の観点から解説します。
- 驚異的なリセールバリュー(残価率)の高さ ランクルプラドは国内外で非常に高い需要があり、数年乗った後の売却時(下取り・買取)に購入価格に近い金額で売れるケースも少なくありません。日々のガソリン代が高くついても、売却時の手元に残る金額を含めた「トータルの所有コスト」で計算すると、非常に経済的な車であると言えます。
- 年間走行距離に応じたエンジンの選び方 通勤やレジャーで年間1万キロ以上走る方は、燃料単価の安さと燃費の良さを活かせるディーゼル車が適しています。逆に週末の買い物や近距離の移動が中心で走行距離が少ない方は、車両本体価格の安いガソリン車を選んだ方が、トータルでの支出を抑えられる可能性が高くなります。
- 実燃費を向上させる運転のコツ 車重が重いため、急発進や急加速は燃料を著しく消費します。発進時はクリープ現象を活用し、ゆっくりと滑らかにアクセルを踏み込む「ふんわりアクセル」を意識するだけで、市街地での無駄な燃料消費を抑えることが可能です。
まとめ:維持費以上の価値を提供する本格SUV
ランクルプラドの燃費は、数値だけを見ると「悪すぎ」と感じてしまうかもしれません。しかし、それは強靭なボディ、圧倒的な耐久性、そして万が一の災害時にも頼りになる悪路走破性という、この車本来の価値と引き換えのものです。長距離ドライブでの安心感や、手放す際のリセールの高さを総合的に評価すれば、多少の燃料代を払ってでも所有する喜びを満たしてくれる特別な一台です。